町工場がWEBから大口顧客を獲得した方法

一社に依存し経営が不安定な状態
新規顧客から見積依頼を獲得、大口取引先を2社開拓!

■株式会社サーフエンジニアリング (https://surfeng.co.jp)
業種:製造業 旋盤・機械加工・溶接・ロボット製作
従業員規模:5~10名
目的・効果:新規顧客の開拓

サーフエンジニアリング
2004年より神奈川県綾瀬市で製造業を営む株式会社サーフエンジニアリング(以下サーフエンジニアリング)。長尺旋盤、機械加工の技術では全国でも有数の実力をもつ。
2014年には自社で産業インフラ点検の自走型ロボット「のぼるくん」をゼロから短期間で開発。知財・金融とも連携した町工場の活躍は年間100件以上の取材、テレビ紹介へと繋がり知名度を向上させた。
「のぼるくん」は現在日本中央高速道路株式会社(ネクスコ中日本)と業務提携し橋脚点検のスタンダード作りへと邁進している。

代表取締役の根本秀幸様に話を聞いた。

町工場がロボットを作る

町工場がロボットを作り話題となっています。のぼるくんはどんなロボットですか?

「のぼるくん」はサーフエンジニアリングが完全自社開発したロボットです。ロボットと言っても歩くのではなく、登ります。だから「のぼるくん」。名前はシンプルですが、機構もとてもシンプル。複雑な仕組を使わずに動きます。我々は「シンプルロボット」と呼んでいます。
のぼるくんは橋脚などの外面検査を自動化するロボットです。これまでは足場を組んで多くの人の目視によって点検されていたもの。これで日本全国にあるインフラ保守点検を効率よく実現して人手不足・危険作業にある現場を助けることで人々の安全な暮らしを支えることができます。今は高速道路の管理運営を行っているNexco(ネクスコ)中日本と共同で点検ロボットの開発を進めております。その他全国から点検ロボットの相談を数多くいただいてます。

私が根本社長とお会いしたのが2014年末でした。当時ホームページもありませんでしたがどういう状況でしたか?

正直、当時はホームページは不要と思っていたんですよね。そんなもの無くても充分仕事は取れると。実際にあまり受注で困ることは無く、順調に仕事を伸ばしていた時期でした。でも「のぼるくん」を神奈川県のビジネスオーディション(ビジネスコンテスト)に出場させる際に、さすがに無いとマズイとおもい、牧野さんに依頼した次第です。

ビジネスコンテストでは見事、優勝(県知事賞)を獲得しましたね。どういう心境でしたか。

優勝したことはまず支えてくれた人へのお礼が出来たという意味でほっとしました。そして、そのあと多方面から取材していただいたり色々な企業・団体さんと話をする中で本当にこの技術が必要とされていることが身にしみて感じられましたね。多くの人たちに巡り会って当社を知ってもらう良いきっかけになりました。
もともと東日本大震災の被害をみて、やはり日本のインフラを総点検できるロボットが今すぐ必要だと考えたんですね。その思いが関係者みな一緒だったことが確認できました。

のぼるくんサーフエンジニアリング

旋盤・機械加工を強化へ

ロボット事業は新規事業でしたが、本業の機械加工や工事はどうでしたか

実は当時主力企業さんからの受注が大きく変動の時期を迎えていました。その会社さんの売上シェアはかなり高かったのですが、やはり1社依存だとそこに命運を握られてしまうなという危機感もありました。
実際にロボットは新しすぎるし、ましてやインフラ点検がターゲットですから知財や契約やらで事業化はゆっくりとしか進みません。売上実現にはまだまだ時間がかかるなと感じていた頃です。旋盤・機械加工での販路・新規顧客の拡大が喫緊の課題となりましたね。

ちょうどそのころ長尺旋盤も導入しました。

長尺旋盤は市場で「できる職人」が高齢化によりどんどん少なくなっているんですよね。もともと先代が生業としていた旋盤事業をもっと広く知ってもらいたい。まだまだ技術のある職人の仕事を活かして市場を取っていきたい。それにはホームページとの組合せがピッタリではないか。そんな思いで長尺旋盤装置を徐々に増やしていく計画を立てました。当社には昔からの高度な旋盤職人がまだおりますので、なんとか技術的に立ち上げることができました。

私からの提案でウェブ活用による顧客開拓をはじめたのもその頃です。

そうですね、ホームページに長尺旋盤の内容を充実させいきました。正直、町工場が広告を打つ、しかもインターネット広告、というのは効果があるのか半信半疑でしたが何でも試してみようと思ったのが良かったですね。

どれくらい効果がありましたか?

広告開始した直後にいきなりお問合せがあったので驚きました。全く知らない会社から、ホームページを見ただけで当社を信頼してくれてお問合せをくれる。この感触に新鮮な驚きがありましたね。
その後試行錯誤を繰り返しましたが、だいたいお問合せ件数は月10件程度で安定しています。
サーフエンジニアリング

ついに新しい柱となる顧客との取引を確保!

一年ほどして大口の顧客が開拓できました

そうなんですよ。中堅の機械商社さんで。実は目と鼻の先。200メートル先の会社さんでした(笑)。いままで10年以上、その距離200メートルでも全く取引が無かったのに、ホームページ経由でご依頼があったんです。何度かやりとりを交わすうちに当社の技術や対応力に信頼をしてくれたようで。
結果的に取引が安定化してきました。今では非常に大きな取引先としてお付き合いをさせていただいております。

社長の軽快な語り口、サービス精神も大きなHP受注のキーになっていると思います。

そうですね。せっかくお問合せいただいたのなら、何か返して上げたいという気持ちは常に持っています。仮に当社でできない案件でも、仲間を紹介して上げたり、場合によっては加工方法や図面の問題点をアドバイスすることもあります。でもそれが信頼関係になってまた依頼に繋がると思うんですよね。旋盤のよろず相談窓口なのかも知れません。

のぼるくんも運用が近づいてきました。サーフエンジニアリング様の目指す姿を教えて下さい。

機械加工からロボット作りまで一貫で行っている会社って殆ど無いと思います。仲間も含めて多くの町工場で連携して受注ということもやってみたい。これまでの町工場、製造業の常識を変えたいですよね。「工業の宮大工」という言葉を目標に頑張っています。

ますますのご活躍を期待しております!ありがとうございます。

サーフエンジニアリング様