原価管理というと「コストダウンのために行う」ことが多いというのは当たっているようですが、実は少しずれています。
原価管理には大きく言うと、3つの意味があります。
(1)原価管理はコストダウンをするためのものである
(2)原価管理は採算を測るものである
(3)原価管理は未来を創るためのものである
原価管理はコストダウンのためのもの、という意見が大半の中で私はその他に2つの役割を見いだしています。
1つは採算を測るもの。
これは売上の上がったアカウント(顧客・案件)に対してトータルでいくらのコストが掛かったのかという考え方です。
(図)
採算とは、売上ー原価=利益 を可視化するということ。
収入ー支出 とも言えます。
ところが、ここで原価とは何を挿すかということが問題になりますね。
通常、全部原価、総原価というとらえ方をします。
ここが原価管理のややこしいところです。
材料費、外注費、といったキャッシュアウト項目に加えて
時間費用(労務費)=社員が働いた時間のコスト を追加します。
厳密にはさらに一般経費を割り当てで配賦しますが、ここではそれは忘れましょう。
問題は時間費用(労務費)の計上です。
多くの企業で最も問題なのは、労務費をプロジェクト毎に割り当てていないということなのです。
社員を1ヶ月雇えば、いくら給料がかかるかはわかります。
一方でそれを定額、固定費と捉えてしまうと、何の仕事をしても変わらないと言うことになってしまいます。
この事を直さない限り、そのアカウント(プロジェクト)でいくら儲かったのかがそもそもわからないということになります。
根本的な中小企業の問題は、この採算を見ていないということなのです。
自分たちの仕事が儲かっているか、儲かっていないか、それがわからないのが大きな問題です。